バッテリーの基礎知識
バッテリーの役割について
バッテリーはクルマを構成している部品の中でも、大変重要な役割を担っています。
エンジンの始動をはじめ、ヘッドライトやブレーキランプなどの各種ランプ類、カーナビやカーオーディオ、ワイパーなど多くの電装品を正常に働かせるための電力供給をしています。
また、クルマが停止している間も時計や電子機器のバックアップのための電力もまかなっているのです。
「バッテリー上がり」にご注意!
バッテリートラブルの代表的なものに「バッテリー上がり」があります。ロードサービス出動件数も多いのが「バッテリー上がり」によるものなのです。
「バッテリー上がり」は冬場のイメージがありますが、エアコンなどを頻繁に使用する夏場にも多くのトラブルが発生しています。
「バッテリー上がり」の主な原因
- 半ドアやライトの消し忘れによる過放電
- エアコンやオーディオ等の過剰使用による充電不足
アイドリングストップ車とは
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アイドリングストップ車とバッテリーの役割
走行時 停止(アイドリングストップ)時 エンジン再始動時 通常のクルマと同じくオルタネータから電気負荷へ電力を供給します。バッテリーも充電されています。 エンジン停止時はバッテリーから電気負荷へ電力を供給しているのでバッテリーは放電気味になります。 エンジンを始動するためにバッテリーからスタータに大電流を供給します。エンジン始動・停止を何度も繰り返すので高い耐久性が必要です。 アイドリングストップ車のバッテリーは非常に過酷な使用状況です。
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アイドリングストップ車向け最適バッテリー
アイドリングストップ時には、バッテリーのみからエアコン・カーナビなどへ電力供給しなければならなく、また何度もエンジン始動(その都度、大電流を放電)するので、アイドリングストップ車のバッテリーは高い耐久性が求められています。
またアイドリングストップ時の放電から素早く回復する必要があるのでクイックチャージ性能の高さも求められています。バッテリーへの厳しい要求
高い耐久性
クイックチャージ性能JISとは違う規格を制定
過酷な使用状況に対応するため新たな規格を制定
アイドリングストップ車対応バッテリーとして新たな規格が制定されました。
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アイドリングストップ車のバッテリー交換目安
現在のバッテリーテスターは、バッテリーの状態を判断することは出来ますが車両がアイドリングストップをする・しないの判断はできません。テスターの判定だけに頼らず、使用期間・使用状況を確認して、交換に備えましょう。
ISS車用バッテリーの販売は点検ではなく問診がポイント!!
(3年・IS頻度・警告灯)
充電制御車のしくみ
充電制御車と燃費改善のしくみ
充電制御車は、オルタ ネータの発電を制御することにより燃費の改善を図ります。非充電制御車は、エンジン始動後、電気の大半をオルタネータからまかなっています。充電制御車 は、車両電圧がある一定基準の電圧以上にあれば充電制御モードになり、オルタネータを止めバッテリーから電気供給を行います。また、車両電圧が基準より低 い時や、車両の減速時にはオルタネータより発電し、バッテリーへ充電します。
このように発電時間を短くすることで、オルタネータを動かすために費やすガソ リン量を削減しています。このため短い時間で充電ができる充電受入性の高いバッテリーが必要となっています。
現在では、新車のほぼ100%が充電制御車です!
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- 従来の充電方式
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- 充電制御システムの充電方式
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充電制御車には充電回復性能(充電受入性)の高いカーバッテリーが必要です!
充電制御車の見分け方
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車検証で見分ける
充電制御車は、車両型式が「CBA」または「DBA」で始まります。
※充電制御車ではない型式は「GF」や「U」等で始まります。 -
ステッカーで見分ける
リアウインドウに以下のようなステッカーが貼られているクルマは、充電制御車の可能性があります。
バッテリーのメンテナンス
突然のバッテリートラブルを予防するために、定期的に点検することが大切です。「でも、どうやって点検すればいいの?」という方のためにバッテリーのメンテナンス方法をご紹介します。
- 液面点検
液面がUPPER LEVEL(最高液面線)とLOWER LEVEL(最低液面線)の間の半分以下に低下している場合は、直ちにUPPER LEVELまでバッテリー液を補充し、キャップ(液口栓)をしっかりと締めます。
- 外観点検
本体にヒビ・割れ・欠け・液もれ・キャップの排気孔にゴミなどの付着がないか確認します。
異常があった場合は、お近くの店舗までご相談ください。
- 取付金具・端子の点検
しっかり固定されているか点検します。緩んでいる場合は、ナットを締め直します。
腐食(サビ)が見られる場合は、ワイヤーブラシなどで取り除きます。